2021年4月10日(土) - 6月13日(日)
毎日描き続けた膨大な数の自画像、1文字1文字をすべて書き写した新聞紙、
10メートルの色鉛筆画―。吉村芳生が生み出す、リアルすぎるほどリアルな作品は、
どれも観る者に凄みを感じさせます。
1950年、山口県に生まれた吉村芳生が一躍注目を浴びたのは2007年のことでした。
この年に開かれた「六本木クロッシング2007」展(森美術館)に出品された作品が
大きな話題となり、吉村は57歳にして突如、現代アート・シーンの寵児となりました。
本展は吉村芳生の回顧展として、初期のモノトーンによる版画やドローイング、
後期の色鮮やかな花の作品、生涯を通じて描き続けた自画像など、
代表作約60件にて吉村の全貌を伝えます。
2013年に惜しまれつつ早逝した吉村芳生の、
ただ上手いだけの絵ではない、描くこと、生きることの意味を、
観るものにも問い続けるような真摯な作品の数々を、ぜひお楽しみください。